ー2025年1月20日ー
はじめに
ベトナムからの技能実習生、チュオン.ティ.ホン.ミン(21歳)。
以後、職場では“ミンさん”と呼ばれているので “ミン”で統一させてもらう。
利用者さんと触れ合う間に日本語が上達したと語るミン。確かに上手い。ペラペラということではないが、日常生活の意思疎通を図るには充分過ぎるほどの日本語能力。
ただ、文字化するのに、読みやすくするために編集はかなりしていることを先ずは記しておく。
津田「じゃあ始めますけど、その座り方(正座)で大丈夫かなあ?」
ミン「はい。大丈夫です」
津田「“ぶどうの家”のホームページに載ります。で、私がミンさんにいろいろ質問をして、ミンさんのことを知ります。それと、ミンさんが私に希望とか要望があれば、なんでも言えます」
ミン「はい。分かりました。よろしくお願いします」
津田「こちらこそよろしくお願いします。ミンさんは技能実習生。いつ、日本に来ましたか?」
ミン「2023年、11月22日に日本へ来ました。“ぶどうの家”は12月28日? 来ました」
津田「そうだったね。お正月の少し前に来たのよね。でも、ベトナムのお正月は違うのよね?」
ミン「そうです」
津田「日本は1月1日。でも、ベトナムはいつだったかな?」
ミン「今年は、1月17日です。来年は2月です」
津田「そうなの? 決まってるかと思ってた。違うんだ? どうやってベトナムのお正月は決まっていくの?」
@ミンが悩む。これを日本語で説明するのは難しいはずだ。
ミン「うーーーん? 難しい」
津田「難しい? 今年が1月で来年が2月。じゃあ、その次の年のお正月は、3月?」
ミン「違う。次は分からないです。まだ聞いてないです、そこまで」
津田「ええっ!! なんか、暦があるの?」
ミン「あります」
津田「それを見たら分かるんだ?」
ミン「はい」
津田「面白いなあ! でも、そのときは家族が皆で集まるのよね?」
ミン「そうです」
津田「ミンさんは、ベトナム風のおやつを作ってくれますが、なんて名前?」
ミン「春巻き?」
津田「ドーナツみたいに揚げてたけど?」
ミン「バンラン(正しい発音は少し違うらしい)?」
津田「そうそう、バンラン。あれは、ベトナムでお母さんに教えてもらったの?」
ミン「自分で考えた。お母さん、なんにも教えてないよ」
津田「えっ!! バンランはベトナムのお菓子だけど、自分で、こうやって作れば良いってやったの?」
ミン「インターネットを見て作りました」
津田「ほー!! そうなんだ。だけど、ミンさんたちはインターネットを上手に使うね」
ミン「そうです」
津田「ベトナムは、インターネットとかSNSとか凄い流行ってるの? 盛ん?」
ミン「はい」
津田「若い人は、皆が使うの?」
ミン「使います。子供も使います」
津田「子供も使うんだ。あっ!! 日本の子供も使うなあ! ミンさん日本に来て、 “ぶどうの家”で働いて、一番楽しいことは?」
ミン「えーーと、利用者さんと話します」
津田「うんうん。どんな話をするの?」
ミン「自分のこと」(照れ笑い)
津田「自分のことを話すの?」
ミン「利用者さんと散歩に」
津田「お散歩に行くのが楽しい」
ミン「そうです」
津田「ミンさんは、利用者さんに自分のことを話して、聞いてもらうのが楽しい?」
ミン「いろいろ話します」
津田「ミンさんが話す?」
ミン「利用者さんと」
津田「利用者さんにも聞くんだ? 利用者さんは、どんな話をしてくれるの?」
ミン「仕事のことが多いです」
津田「利用者さんが元気な頃にやってた仕事のこととか?」
ミン「そうです。前に住んでいた所のこと。日本がどんな感じかなあ? とか」
津田「日本の良いところとか?」
ミン「そうです。どこが一番キレイとか」
津田「ミンさん、旅行が好きだもんね?」
ミン「大好きです」
津田「そうかー。利用者さんと、そんな風に話したり聞いたりするのが好きなんだね?」
ミン「はい、そうなんです」
津田「大変なことは、ない?」
ミン「大変? 日本に来たとき、日本語ちょっと大変です。今は、大変ではないです」
津田「随分、上手になったよね?」
ミン「まだまだです」
津田「利用者さんとシッカリ話をして、日本語が上手になったんよね。日本語で一番難しいのは、どんなところ?」
ミン「漢字です」
津田「漢字は難しいよね?」
ミン「覚えられない」
@補足説明。津田は、一語一語をゆっくりゆっくり話す。
津田「ミンさんは技能実習が3年で終わると思うけど、終わるのはいつかな?」
ミン「来年、11月27日です」
津田「来年の11月27日に技能実習が終わったら、どうする予定?」
ミン「ベトナム、帰りまーーす」
津田「その後は?」
ミン「結婚しまーーす」(二人で微笑みあう)
津田「おめでとう」
ミン「ありがとうございます」
野田→ミン「恋人がいらっしゃるんですか?」
津田「彼がいるんだよね」
ミン「はい。彼がいます」
野田→ミン「彼は、ベトナムに?」
ミン「東京」
野田「ということは、彼も技能実習生で来てるんですか?」
ミン「留学生です。日本に6年間いました」
津田「今、6年目?」
ミン「そうです」
野田「どこで知り合ったんですか? ベトナムで? 東京で?」
ミン「日本です。インターネットで」
野田「ええええー!! ホンマですか?」
津田「得意のインターネットだね」
ミン「去年でした」
野田「留学ということは、これから立派な会社に進まれるんでしょうね?」
ミン「もう、2年仕事をしてます。東京で」
津田「つまり、ミンさんはベトナムに一度帰って、それから彼と東京に住むんでしょ?」
ミン「そうなんです」
野田「うわー!! ミンさん、幸せだー」
津田「ところで、ミンさんは、なぜ技能実習生で日本に来ようと思ったの?」
ミン「日本に行ってみたかった。それと、仕事をしたかった。給料も違うし」
野田→ミン「技能実習生で来るには、その資格を得る前にベトナムで勉強しないといけないんですよね?」
ミン「そうです。1年間、勉強しました。日本語。日本に来る前、友だちが日本におったから、いろいろ教えてもらった」
津田「情報が速いんよな?」
ミン「インターネットです。私、ベトナムで仕事はしてないです」
野田「ベトナムで仕事に就くより、日本で仕事をした方が良いんですか?」
ミン「日本の方が良いです」
野田「お父さん、お母さんは?」
ミン「応援してくれます。でも、心配もあります」
津田「ミンさんが、介護を選んだのはなぜ?」
ミン「私、ベトナムで、お祖父ちゃんお祖母ちゃんの介助をしました。だから、できると思った」
津田「お祖父さんお祖母さんのお世話をしてたので、介護の仕事を選んだのね?」
ミン「そうです」
津田「介護を選んで良かった?」
ミン「良かったです。皆、仲良くしてくれます」
津田「これからも続けたい? 東京に行っても続けたい?」
ミン「はい」
津田「じゃあ、介護福祉士の資格も取る?」
ミン「取れるかなあ? 難しい、皆から言われました」
津田「頑張れば、ミンさんなら取れるよ」
ミン「だけど、漢字いっぱいあるから。漢字、難しい。覚えられない。意味もいっぱいあるから」
津田「でも、現場をやってれば難しくないから。頑張れ!」
ミン「はい。頑張ります」
津田「そのうちね、子供抱っこして彼と遊びに来てね。 “ぶどうの家”のお爺ちゃんお婆ちやんが喜んでくれるからね」
ミン「はい、分かりました。私も楽しみです」
津田「ミンさんの、日本の実家だからね」
ミン「お母さんに、日本に来たいと言われました」
津田「それは、呼んであげないといけんね」
ミン「多分、来年、来ると思います。旅行で」
津田「ミンさんから私にお願いはありますか?」
ミン「旅行。休んで行きたい」
津田「ミンさん、お休み、もういっぱい取ってあるよー」
ミン「来年、結婚式前。結婚は12月。8月」
津田「8月は、もういないんでしょう?」
ミン「おるよ。指? 紙? いろいろ。うーーん、言葉、忘れた」
津田「そうかー。指輪ね。それと婚姻届。良いなあ!ミンさん、これから夢いっぱいだ」
野田「幸せ満開だ」
ミン「ありがとうございます」
野田→ミン「だけど、ミンさん、やっぱ日本語喋るの上手いなあ!」
津田「お爺ちゃんお婆ちゃんと話してたら、まだまだ上手くなるよ」
ミン「私の岡山弁、彼氏は分からないよ」(三人で大爆笑)
対談前、ベトナムからの介護実習生と聞いたとき、悲壮感とかあるのかなあ? と構えてしまった。
ところが、それは全くの杞憂で、とても明るい女性だった。彼との出会いがネットを通じてというのにも驚かされた。
世代間ギャップも極めたり、というところか? 幸多き未来でありますように!