ー2025年3月30日ー
はじめに
「楽しいのが好き・盛り上げるのが好き。利用者さんと日々楽しく過ごしたい!」。坪井が語ったとおり、この対談の場も “和みと笑い満載”で凄く盛り上がった。
津田「坪井さん、お名前と年齢を教えてください」
坪井「はい。坪井佳子です。先日、58歳になりました」
津田「それはそれは、おめでとうございます」
坪井「ありがとうございます」(パチパチと津田と坪井の拍手で盛り上がる)
津田「資格は?」
坪井「介護福祉士と介護支援専門員です」
津田「で、坪井さんは “ぶどうの家”に来て2年?」
坪井「そうですね。もうじき2年になります」
津田「はい。良く来てくださいました。で、何を聞こうかな? いろいろあるんよな? そうそう。
ここで働くに当たって、自分のことを『私、こんな良いところがあります』ってアピールはありますか?」
坪井「アピール? うーん?? 盛り上げるのが好き。
楽しいのが好きなので、イベントとか、日々楽しく過ごしたいなあ! って思ってます」
津田「利用者さんと一緒にね! 例えば、今までどんなことをして来ましたかね?」
坪井「うーん? どんなことをしてきたかな? 本家では、まだそんな多くはないんですが、真備の方でレクリエーションをしたり、『一発芸を皆でやろう!』とか、かなあ?」
津田「坪井さんって、物おじしないでドンドンやれるよね。凄いよ」
坪井「そうなんですかね? でも、そういうことするのが大好きで、なんかね?
馬鹿になれるんです。基本、馬鹿なんだけど……」(坪井一人で爆笑)
津田「イベントのときに『司会とかやって』とか言ったら、『嫌・嫌・嫌・嫌』とかって尻込みする人が多いけど、『ハイッ』って言って率先してやってくれるよね」
坪井「私、マイクを持つのが好きで、それもあるのかもしれませんね」
津田「マイクが好きとかっていうのは、小さいときの経験とかがあるの?」
坪井「実は私、小さい頃は凄い人見知りで親の後ろに隠れてとか、学校でも存在感がない子供だったと思うんです。
だけど、あるとき目覚めたんですよ。小学校高学年のときの担任が凄く良い先生で、私をとても褒めてくれたんです。
そこで凄く自信がついて、ちょっとずつ変わっていった気はしてます」
津田「先生の存在って凄いね!」
坪井「凄いです。良い先生に巡り合って」
津田「先生は、どんな事を褒めてくれたん?」
坪井「私、勉強は全くダメで、勉強は大嫌いだったんだけど少し頑張ったときもありました。
そのとき『良く頑張った!』と褒めてくれたんです」
津田「あっ!! 自分がやった事を認めてくれたんだ」
坪井「そうなんです。初めてだったかなあ?」
津田「それまで “できない・できない”で来てたけど、その先生が初めて坪井さんの頑張りを認めてくれた?」
坪井「そうなんです。そこから自信も芽生え始めました」
津田「なるほどね」
坪井「それと、保育士。保育園で働いてて、皆の前でいろんなことを話さないといけないし、披露しないといけないし、その辺りで “もっと楽しく”というのは常に考えてました」
津田「そうそう。保育士も持ってるんよな。だけど、なんで保育士になろうと思ったの? 一番最初の仕事が保育士?」
坪井「そうです。当時『何をしようかな?』と考えたとき、ピアノが弾けたので……となると保育園かな? と。特に、やりたい仕事があったわけではないんです」
津田「そうなんじゃ。で、保育士になってみたらどうだった?」
坪井「当時は本当に大変でした。給料も安いし、残業というか? 書類が多くて自宅へ持ち帰りすることも頻繁でした。それと、発表会の衣装を全部を作ったりとか、劇をするにも内容のいろいろを考えたりとか大変でした。
でも、今はその経験が役立ってるように思えます」
津田「そうそう。その下地があるから今に繋がってるねえ! なんでも出来るもんなあ! 音楽もできる。
お裁縫もできる」
坪井「やりたい。なんでもやりたい。出来なくてもやりたい」(二人で爆笑)
津田「ホー!! 凄いよなあー」
坪井「勉強は出来ないんですけどね」(二人して大爆笑)
津田「関係ないよ」
坪井「でも今、苦労してます。やはり」
津田「苦労してるんだ?」
坪井「漢字が分からない。それと、敬語とかの言い方?」
津田「敬語かあ」
坪井「計算が出来ない。でも、電卓があるしスマホもあるんで」
津田「確かに。で、すると保育士を辞めて、いきなり介護?」
坪井「子供を出産した後、自分の子を他人に預けて他所の子を私が担当するというのが、ちょっと?? 『なんかなあ?』と思い始めたんです。それと姑さんとの同居もありました。
家を建てるので姑さんと同居となったんですが、保育園へ通えない場所になってしまいました。
その二つが重なってしまい辞めました。
で、次にどこで働こうかなと思ったときに『これからは高齢者かなあ』っていうので、ヘルパーの資格を取ったんです」
津田「凄いなあ! 保育士を辞めて、これからは高齢者。なんで、そういう風に?」
坪井「高齢化社会になるかな?っていうところで『仕事に就きやすいかなあ!』と思ってヘルパーの資格を取って実習に行きました。すると、その実習先のホーム長さんが『この仕事をするんだったらもっと上を目指しなさい』って言ってくださって、『ヘルパー1級がありますよ』とも言われて、いろいろ調べました。
すると、保育士の資格を持ってて学校に1年通ったら介護福祉士の資格が取れることを知り、1年間学校へ通ったんです」
津田「そうだったんだ。でも、それは子供がいて?」
坪井「はい。いました」
津田「お姑さんもいて?」
坪井「うーん! 当時、実は別居生活をしてて…」
津田「誰と?」
坪井「旦那と」
津田「えっ!!」(微妙な雰囲気で二人爆笑)
坪井「別居もしてて、それもあって『これから頑張らないと!』っていうので…」
津田「別居してて、お姑さんと一緒に住んでたの?」
坪井「違うんです。1年間、家を出てました。実家にいたんです。旦那と別れてはないけれど実家にいました」
津田「そうかー! 実家が保育園から離れていた、ということね?」
坪井「そうなんです。で、いろいろあって」
津田「『これから自立しなきゃ』みたいな…」
坪井「そのとおりです。で、これからは高齢者かな? と思って。保育園も当たってみたんですが、いろいろ条件が難しくってですね。とはいえ、偶々ですが素晴らしいホーム長さんに出会えて『上を目指しなさい』と言ってくれたので、学校で基礎知識を学び、そこからでした」
津田「その当時、子供さんは小さかった?」
坪井「子供は4歳と2歳でした」
津田「じゃあ、そこから介護の世界に入って今に至る? かなり経つよなあ。 今、子供さんは?」
坪井「子供は30歳くらいになります」
津田「くらい? ね」
坪井「です、です」(二人爆笑)
津田「ということは、保育の世界よりも介護の世界の方が長いということね」
坪井「そうです。長くなりました」
津田「そうそう。だから逆に、この前 “ぶどうの家”に遊びに来てくれた人なんかは、『坪井さんの言葉に従って、坪井さんにいろいろ教えられて私は介護の世界で頑張るんです』とか言っとったよな」
坪井「私、その頃に情熱が湧き出ていて、何人かそういう方がいました。『介護、こういうところが楽しいんよ』って事を言ってましたから」
津田「凄いね! そういうのを上手く伝えるよね」
坪井「どうですかね?」
津田「自覚してない? ね」
坪井「してません」
津田「この前も見学に来てくれた人とか坪井さんと古くからの知り合いの人とかもそうなんだけど…新たに“ぶどうの家”に見学に来たという人がおって、その人と坪井さんが話している場面とかを見てて思ったんだけどね。
“ぶどうの家”の魅力を、私以上に情熱を込めて伝えてくれてる、と。感心しました」
坪井「私ね、ヤクルトの仕事もしてたんです。同居したときに社会から取り残されたような感じになってましたから。
で、ヤクルトの仕事をしてたときに『これが本当に良いんよ』って言ったら、皆さん買ってくれて “セットの女王”だったんです。『良いんよ、良いんよ』を繰り返してると購入していただけるという経験もしてますから」(坪井 大爆笑)
津田「それって、自分が良いって思うから、そういう風に伝えられるんよな。自分が素敵って思わないとね。嘘はつけないから」
坪井「そうですね」
津田「じゃあ、 “ぶどうの家”の魅力は? どんなことですか?」
坪井「魅力はやはり “働きやすい”が一番ですね。で、職員ですが、真備もそうだし本家もそうだけど、一人一人が凄く良い人。で、私は出来ないことがたくさんあるんだけど、その中でも良いところを取り上げてくれるって感じてます。
真備でのことになりますが、それぞれが良いところ悪いところあって、本当に皆さんそれぞれあるんですが、その中でも良いところが仕事になってるって感じられるんです。なので、働きやすいし、皆が出来る人ではなく、もちろん出来る人もいますが、出来ない人も多くて、それでも良いところを引っ張り出してくれてるので働きやすいんです。
だから、私はご利用者と楽しませてもらっています」
津田「そうだよね。皆、こっちが出来る人もいれば、こっちが出来ない人もいる。逆もあるしね。それぞれの多様な個性が合わされば、とても良い職場になるよな」
坪井「だから、出来ない人も働ける。というのが実感。違う違う。出来ない人は違う。なんと表現すれば?? 周囲が長所を見出してくれて働ける。そんな感じです」
津田「確かにね」
坪井「出来る人ばかりだったら、多分? “ぶどうの家”は成り立たないと思います」
津田「そうね。確かに確かに、そう思う」(津田も納得しながら大爆笑)
坪井「本当に、いろんな人がいるからこそ、上手く運んでるような気がしてならないんです。私は、働いててそう思いました」
津田「私自身も出来ない人なんだけどね。出来るところと出来ないところが皆それぞれにあるけど、補ってくれるというか? 皆がいるから私があるように思える」
坪井「一人で働くんではなく、皆で働いてるという体感がありますよ。孤独ではなく。間違えても失敗しても、周りがフォローしてくれるから」
津田「お互い様よね」
坪井「そうそう。そこがとても心に響くんです」
津田「そういうのもあるから、利用者さんも安心できるんかなあ! と思うんよな。利用者さんも良いところもあれば悪いところもあって、ダメなところもあれば出来るところもあって。
そういうところは利用者さんも同じで、職員も同じで、皆がチームだよって感覚に職員がなってるので利用者さんも安心しておれるんかなあ! って」
坪井「楽しいです」
津田「なによりです」(二人 大爆笑)
坪井「ありがとうございます」
津田「坪井さんが、 “ぶどうの家”でこれからやりたいことは?」
坪井「介護技術的なことは、これから頑張っていかないと、とは思ってるんですが苦手で……目先、場を盛り上げていきたいと思ってます」
津田「確かにね! ちゃんと定着させんといけんこともあったり、瞬間瞬間で輝かんといけんかなっていうところもあったり。なにより、利用者さん一人一人が輝く瞬間があれば良いなあ! って思うから、そういう場面を作ってくれるのが凄く上手いんだろうなと思っているので、そこは坪井さんに期待しています」
坪井「努力します」
津田「介護技術がなかなか追いつかない? それは病気のせいもあるのかな?」
坪井「それもあります。あまり無理はしたくないかなあ? って」
津田「そこは、皆が知ってるん?」
坪井「何人かには言ってますけど……」
津田「お互いに理解してやってるってところかな? でも、坪井さんは病気だからと自分に甘えるんじゃなくて、出来ることをシッカリやっていくという姿勢があるからこそ、皆が認めてくれてるんだろうな。と強く思います」
坪井「ありがとうございます」
津田「じゃあ最後に、坪井さんから私へ希望、要望などはありますか? もちろん会社へでも」
坪井「えっ!! なんか? 突然に来るんですね」
津田「そうなんです」(二人 大爆笑)
坪井「特にないです」
津田「この際、言っておいた方が?」
坪井「では。今、私的に一番困っているのが、休み希望が三日までというところで……私、やりたいことがあったりして、そこが休みを取らないといけなかったり自分の病気や母の病気で病院へ行かなければならないし……もっとも『病院のときは言ってね』とは言われたんですが、そこがね。真備では日曜日がだいたい休みだったのを含めての二日とか三日だったんで取りやすかっったんです。予定も組みやすかったですし。でも、ここは1ヶ月を纏めてですから、そこがちょっと、なんですよ」
津田「そうなんよなー」
坪井「私にとって、そこが一番の難題で」
津田「今まで、特に本家は人手不足だったんで。だから『助けに来て』って言ったのもあったから。でも、今後は数人入職してくるから、変わるかもしれない? ところで、なにがやりたいん?」
坪井「今度、米粉を使ってお菓子を作る教室に通うことになって」
津田「範囲が広いよなあ! うどんも打つし」
坪井「そうなんです。で、編み物も皆さんからお願いされて作ってるんですけど、いろんなことがやりたいんです。人生一度切りで今を生きてるので」
津田「趣味が幅広い」
坪井「仕事が一番なんですけどね。だけど、やりたいことがいっぱいあって、自分のためにも休日を使いたいな! と思ってるんです」
津田「こっからは自分のために時間を使うぞ! みたいなね」
坪井「親のこととかもですね」
津田「人生の次のステージに入ってるんだ」
坪井「そうだと思います。なので、休みを取りずらいのが課題なんです。難しいなあ!」
津田「どうしても、子育てしてる人とかに休みが優先されるからね」
坪井「土日は、出れるときは出ても良いんですけど、その代わり平日にですね。ちょっと、三日っていうのが足りなくて。私の中では。贅沢かもしれないですけどね」
津田「勤務を組まれると、ここに休みたいという日が、なかなか休めないということだね」
坪井「行きたいのに行かれない。それがストレスで、モヤモヤしているのが現状です」
津田「なるほどね。そこは次のステップじゃな。スタッフが入ってきたら変わるかもね?」
坪井「期待してますけど…」
津田「期待してください。でも、どうなるか分からんけど……」
坪井「となると、時短正社員の方が良いかなあ? とか」
津田「そういう手もあるね。子育てガンガン終わって、親の介護とか自分の為に時間を使いたいとかってなると、そういう手段もあるね」
坪井「まあ、様子を見ながら考えていきたいと思います」
津田「今日はありがとうございました」
坪井「ありがとうございました」
「出来る人ばかりだったら、多分? “ぶどうの家”は成り立たないと思います」
この坪井の言葉に、鋭い観察眼を持った人だなと思った。そして、ストレートに発信・発進する人だな、とも。